ポーチボレー完全攻略|打ち方・動き方・グリップの違いとバックボレーでのポイントとは?

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雁行陣でポイントを取るためには、ポーチボレーが欠かせません。クロスラリー中に前衛が前に詰め、相手の前衛に向かって打ち込んで決めるのが、ダブルスの必勝パターンの一つです。この記事では、そのポーチボレーにおけるグリップの使い方、打ち方、そしてミスの原因について詳しく解説します。

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目次

ポーチボレーは逆クロス

ポーチボレーは逆クロス

ポーチボレーは、クロスラリー中センターへ来たボール自分から近づいてボレーするショットで、

相手の前衛方向へ打ちます。

そのため、ボレーのコースは「逆クロス」になります。

このとき、強く打とうとしてボールを引っ張ってしまうと、

相手の遠い後衛方向に飛んでしまい、決めきれなくなることがあります。

そのため、威力は多少落ちても、近くにいる前衛に向けて逆クロスに打つ方が、

決まりやすくなります。

こういった理由から、ポーチボレーは逆クロスが基本になります。

生徒さんの声

チャンスボールを逆クロスにボレーするのは難しいですよね

エッセンス

そうなんです、チャンスボールなのに、急いで打ってはいけないところが難しいですよね

3つのコースの体の向きの違い

ストレートボレーの体の向きは45度

ストレートボレーの体の向きは45度

基本となるストレートボレーでは、体の向きは斜め45度になりますが、

ハイボレーなどの高めのボレーでは、体が90度近く横向くこともあります。

また、グリップの握り方によっても体の向きは変わり

厚めのグリップでは体が前向きになりやすい傾向があります。

クロスボレーの体の向きは正面向き

クロスボレーの体の向きは正面向き

クロス方向ラケット面を向けるには、体を正面に向けたまま打つことで、

自然とラケット面がクロス側を向きます。

そのため、体の正面付近でボールを打てると、

比較的簡単にクロス方向へ飛ばすことができます。

しかし、遠くに来たボールをクロスに打とうとすると、

打点が外側になりすぎてラケット面が逆方向を向いてしまいやすくなります

このような場合には、打ち方に工夫が必要になります。

逆クロスボレーの体の向きは90度

逆クロスボレーの体の向きは90度

逆クロスは、ストレートボレー時の体の向き(約45度)から、

体を90度までしっかり横向きにすることで、ラケット面が自然と逆クロス方向を向きます。

つまり、まずストレートボレーの基本である45度の体の向きを身につけることで、

その体をさらに90度まで回せば逆クロスに打ちやすくなります。

ただし、打ち急いで体の前で打ってしまうと、

逆クロスに向けたつもりの面がストレートクロス方向に向いてしまい、

ボールが前衛方向に飛ばなくなることがあるので注意が必要です。

生徒さんの声

ボレーのコースを打ち分けるには、体の向きを変えることが大切なんですね

エッセンス

そうなんです。テニスで左右に打ち分ける基本は、体の向きを変えて打点を調整することなんです

グリップの違いによるラケット面の向きの違い

コンチネンタルグリップでの手首の屈曲とラケット面の向き

ボレーでコンチネンタルグリップでの手首の屈曲とラケット面の向き

ボレーの基本グリップであるコンチネンタルグリップでは、

ラケット面はおおよそ斜め45度に向きます。

そのため、体を45度に向けると、自然とストレート方向に面が向く形になります。

このとき、ラケット面を正しく向けるには手首の屈曲(手の甲側に曲げる動き)が必要で、

手首が伸びた状態だと、ラケット面が横を向いてしまうため

体をやや横向きにしないとラケット面を前に向けることができません。

手首の屈曲のしやすさは、グリップの持ち方によっても変わります。

指の付け根に沿ってグリップを握ると、

いわゆる「ハンマーグリップ」になりやすく、

手首が90度に固定されてしまい、屈曲しにくくなります。

その場合、体を90度近く横向きにしないと、ラケット面を前に向けることができません。

この点については、指導者によってグリップの持ち方の指導が異なることもあり、

アドバイスが分かれる部分でもあります。

イースタングリップでのラケット面の向きとバックボレー

ボレーでイースタングリップでのラケット面の向きとバックボレー

コンチネンタルグリップよりやや厚めイースタングリップでは、

体を45度までしっかり向けなくても、ラケット面を前に向けることができます。

このグリップの利点は、ラケット面を素早くセットでき、

力も入りやすいため攻撃的なボレーが打ちやすいことです。

ただし、イースタングリップのままでバックボレーを打とうとすると、

ラケット面が上を向きやすくなり、打点も後ろになってしまうため、

グリップチェンジが必要になります。

ウェスタングリップでのラケット面の向き

ボレーでウェスタングリップでのラケット面の向き

ウエスタングリップでは、体はほぼ前向きになり、ラケット面も自然と前を向きます。

さらに、打点が前になるため、ボールを押し出すように打つことができ、

強いショットを打ちやすいという利点があります。

その反面、低いボールのローボレーの処理は難しく

ラケットヘッドを下げて打つ必要があるため、返球が不安定になりがちです。

また、ネットから離れた位置でのボレーにはあまり向いていません

生徒さんの声

ボレーも、いろいろなグリップで打てるんですね

エッセンス

そうですね。ただし、低いボールやスライス回転を加えるときには、薄めのコンチネンタルグリップやイースタングリップがより適していると思います

グリップの違いによるポーチボレー時の体の向きの違い

コンチネンタルグリップで逆クロスを打つ際の体の向き

ボレーでコンチネンタルグリップで逆クロスを打つ際の体の向き

これは上記でも述べたとおり、コンチネンタルグリップでストレートに打つ場合、

ラケット面は約45度の角度になります。

その状態で体を90度横向きにすると、ラケット面は逆クロス方向を向いてしまいます。

体を90度横に向けるのは、ストローク時と同じで、

軸足(後ろ足)のつま先を横向き(90度)にすることで体全体の向きが変わり、

結果としてラケット面の向きも影響を受けるのです。

イースタングリップで逆クロスを打つ際の体の向き

ボレーでイースタングリップで逆クロスを打つ際の体の向き

イースタングリップは、体が前向きのままでもラケット面が前を向くため

体の向きを約45度にするだけで逆クロス方向にラケット面が向きます

このため、逆クロスへのポーチボレーに適したグリップと言えるでしょう。

コンチネンタルグリップではフォアボレーを強く打ちにくいと感じる方には、

イースタングリップの使用をおすすめします。

ウェスタングリップで逆クロスを打つ際の体の向き

ボレーでウェスタングリップで逆クロスを打つ際の体の向き

ウェスタングリップも、体が前向きのままでもラケット面が前を向くのが特徴です。

さらに、そのままの体の向きでもラケット面が逆クロス方向を向くため、

相手の前衛に向かって簡単に打つことができます。

前向きのまま肩を入れずに逆クロスに打てるため、

相手にとってはフェイントのような効果もあります

生徒さんの声

急にボールが来ると、体の向きを変える余裕がありませんよね

エッセンス

そうなんです、その場合は、グリップを少し厚めに持つことで、体が前を向いた状態でもラケット面を前に向けやすくなります

ボールのスピードによって変わるポーチボレー時のフットワークの違い

クロスラリーのスピードが遅い場合は、走り込んでポーチボレーを狙う

クロスラリーのスピードが遅い場合は、走り込んでポーチボレーを狙う

初級者のレベルでは、クロスラリーがゆっくり続くため、時間的な余裕があります。

そのため、前衛は走り込んでポーチボレーを狙うことが可能です。

その際は、斜め前に進みながら、ネットのセンターベルトに向かって動くことが重要です。

クロスラリーのスピードが速い場合は、軸足と踏み込み足の2歩でポーチに出る

クロスラリーのスピードが速い場合は、軸足と踏み込み足の2歩でポーチに出る

レベルが上がるとラリーのスピードも上がってきます

そのため、時間的な余裕がなくなり走り込んで打つことが難しくなります

そこで、相手が打つ前に早めにポーチボレーを狙おうとすると、

ストレート側が空いてしまいストレートパスを打たれやすくなります

そうならないためにも、スプリットステップの後は、

軸足踏み込み足2歩でスムーズに動くようにしましょう。

生徒さんの声

ペアの後衛の方も前衛が前に詰めてポーチボレーが出来るようにゆったりとしたボールを打つ必要があるんですね

エッセンス

そうなんです、スピードを落とすとボールが短くなりやすいので、高い弾道で打つようにしましょう

バックボレーでのポーチボレーの打ち方

コンチネンタルグリップで片手バックポーチボレー

コンチネンタルグリップで片手バックポーチボレー

コンチネンタルグリップは手首がまっすぐに伸びやすいため、

その状態でバックボレーを打つと打点が後ろになりやすく、

当たりが薄くなって回転ばかりがかかり、威力に欠けることがあります。

手の甲を少し前に突き出すことで打点を前に取ることができますが、

無理をすると手首を痛める原因にもなるので、慎重に行ってください。

バックの厚目のグリップで片手バックポーチボレー

バックの厚目のグリップで片手バックポーチボレー

バックのイースタングリップ片手バックボレーを打つと、

打点を前に取りやすくボールに押し負けない形を作りやすくなります。

そのため、逆クロスへのポーチボレーも打ちやすく

相手の前衛に対してもしっかりとしたボレーで攻撃することができます。

ただし、構えの段階ではフォアボレーのグリップで待つことが多いため、

バックに来た場合は素早くグリップチェンジを行いましょう。

左手のグリップが薄い両手バックポーチボレー

左手のグリップが薄い両手バックポーチボレー

両手バックボレーは、非力な方にとって有効な打ち方です。

右利きの場合左手のグリップがコンチネンタルなどの薄い握り方になっていると、

逆クロス方向に面を向けにくくなり打点も体の左側で取るような感覚になります。

さらに注意したいのは、右手がフォアハンドのグリップのままだと、

打点が後ろになってしまい、逆クロスに面を向けにくくなるという点です。

左手のグリップが厚い両手バックポーチボレー

左手のグリップが厚い両手バックポーチボレー

両手バックボレーでは、左手のグリップが厚くなるラケット面が逆クロスに向きやすくなり

打点も前に取れるため力強いボレーが打ちやすくなります。

ただし、低めのボールではラケットヘッドが下がりやすくなるため、

しっかり膝を曲げて打点の高さを調整してください。

生徒さんの声

バックのポーチボレーは、まだ自信がありません

エッセンス

そうですか、でも、相手より先にボールに触ることは大切なので、ミスを恐れずにどんどんチャレンジしてくださいね

ポーチボレーを狙いやすい状況

雁行陣からポーチボレーを狙う場合

雁行陣からポーチボレーを狙いやすい状況

雁行陣では、試合展開の中心はクロスラリーになります。

前衛はロブで抜かれても後衛のペアがカバーしてくれるため、

ネット際までしっかり詰めることができます。

その分、ポーチボレーも狙いやすくなります

特に、ペアのショットのスピードが落ちたときは、

自分が前に詰める時間が生まれるので、

チャンスを逃さず積極的にポーチボレーを狙いましょう

平行陣からポーチボレーを狙う場合

平行陣からポーチボレーを狙いやすい状況

平行陣は、2人とも前に詰めてボレーで攻撃する陣形です。

特に女性の試合では、前衛の頭上を越えるロブが多くなる傾向があるため、

平行陣における前衛のポジションは、雁行陣のときよりもやや後ろになります。

そのため、チャンスがあれば積極的に前に詰めてポーチボレーを狙う判断が重要です。

つまり、ロブへの対応ポーチボレーという攻守両面の役割を担うことが、

平行陣における前衛の大きな役割と言えます。

生徒さんの声

いつもポーチボレーに出ようとしなくても大丈夫なんですね

エッセンス

そうなんです、上記の例以外でも、早めに打ちに行く積極性が必要です

ポーチボレーのミスの原因

ラケットを大きく引いてしまう 

ポーチボレーでラケットを大きく引いてしまう

ボレーでは「ラケットを引かないように」とよくアドバイスされますが、

特にポーチボレーではその意識が重要です。

というのも、クロスボール逆クロス方向へコース変更しようとしてラケットを引いてしまうと、

ボールの軌道からラケット面が外れスイートスポットでとらえにくくなることがあるからです。

焦って前で取りすぎて後衛に返球してまう

ポーチボレーで焦って前で取りすぎて後衛に返球してまう

相手の前衛を狙うには逆クロスにボレーを打ちますが、

逆クロスクロスに打つよりもボールを呼び込み、打点を少し遅らせる必要があります。

そのため、せっかくチャンスボールが来たときに「チャンスだ!」と焦ってしまうと、

打ち急いでクロスに打ってしまい後衛に簡単に返されてしまうことがあるので注意しましょう。

コートに対して横に動いてしまう

ポーチボレーでコートに対して横に動いてしまう

ポーチボレーでは、クロスボールに近づいてボレーを打ちますが、

その際の動きは斜め前方向になり、センターベルト付近に近づくイメージで動きます。

この斜め前への動きは、クロスボールに対して直角方向となり、

最短距離で移動できるため効率的です。

ただし、ボールがかなり遠い場合は、前に動くことが難しく

ネットに対して平行に動くこともあります。

高いボールを叩きすぎてネットミスしてしまう

ポーチボレーで高いボールを叩きすぎてネットミスしてしまう

高いボレーラケットヘッドを立てて打つことで、

上から押さえ込むように打ち込むことができます。

ラケットを立てると手首が使いやすくなりボールにパンチを加えやすくなります。

ただし、強く打とうと手首を使いすぎると、

押さえが効かずネットミスにつながることがあるので注意が必要です。

低いボールを打つ際にラケットを寝かせすぎて、ラケット面が上を向きアウトミスしてしまう

ポーチボレーで低いボールを打つ際にラケットを寝かせすぎて、ラケット面が上を向きアウトミスしてしまう

低めのボールは、ラケットをやや寝かせて打つため、

打つ前に手首が緩んでしまうとラケット面が開き(上向きになり)、

ボールが浮いてしまう原因になります。

これを防ぐには、テイクバックの段階ラケット面が開かないように手首をしっかり固定することが重要です。

コンチネンタルグリップの場合は、手首の角度を90度に固定するか、

あるいは120度程度に屈曲させて使う形になります。

生徒さんの声

ポーチボレーにも、いろいろなミスがあるんですね

エッセンス

そうなんです。でも、いちばんミスが起きやすいのは、“決めよう”と思いすぎてしまうことなんです

ボールの高さによって変わるフォアポーチボレーのコースの違い

高めのボールをラケットを立てて相手の前衛に狙う

ポーチボレーで高めのボールをラケットを立てて相手の前衛に狙う

ラケットを立てられるほどの高いボールは、強打しやすく決めるチャンスです。

打つコースは、相手の前衛の足元を狙いましょう。

具体的には、相手前衛のシューズを目標に打つイメージです。

このとき、前衛はコートにボールを入れることを優先し、

ラケット面を合わせて返球してくる可能性が高いため、

第2弾の攻撃に備えて構えておくことが大切です。

肩の高さのボールをラケットを斜めにしてセンターに狙う

ポーチボレーで肩の高さのボールをラケットを斜めにしてセンターに狙う

肩の高さのボレーでは、ラケット面は斜め上を向きスイングは斜め下への動きになります。

高めのハイボレーに比べて打点は体に近くなるため、

強く叩くことは難しいものの、コースを狙いやすくなります

そのため、相手ペアの間であるセンターを狙って打つのが効果的です。

低めのボールを逆クロスアングルボレーに流す

ポーチボレーで低めのボールを逆クロスアングルボレーに流す

ポーチボレーに出た際、ボールが低い場合強打による攻撃が難しくなります。

ラケットが寝た状態になり、低い位置での守備的なボレーになりやすいためです。

そのような状況では、上級者はラケットが横向きになっていることを利用し、

インパクト後にラケットヘッドを下げて逆クロスへのアングルボレーを打つことで、

フェイントのような効果を生み出すことがあります。

生徒さんの声

相手のボールの高さに応じてコースを変えるのは難しいですね

エッセンス

そうですね、基本的には、逆クロス方向にいる相手の前衛か、センターに打てばいいと思います

テニスコーチブログ・・・ 

テニスを始めて最初に習う陣形は、1人がストローク、もう1人がボレーを担当する「雁行陣」です。この雁行陣では、後衛がベースラインでストロークを打つため、前衛のボレーヤーはネット際にしっかり詰めることができます。
そのため、今回の記事で紹介するポーチボレーは、雁行陣における得点のカギとなる戦術です。

初級者の方への注意点としては、ポーチボレーを狙うあまりセンターに寄りすぎてしまい、サイドを抜かれたり、後衛のペアがどちらのサイドを守るべきか迷ってしまうことがあります。そうならないよう、ポジショニングには十分注意しましょう。

また、女子ダブルスで平行陣(2人ともネット付近に位置する陣形)を使う場合は、前衛の頭上にストレートロブが上がることが多く、なかなかポーチボレーに出づらくなる場面もあります。そのため、前衛は前だけでなく前後の動きも意識する必要があります。

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