ダブルスで得点力を高めたいなら、前衛のポーチボレーは欠かせません。ですが、出るタイミングを間違えると相手に簡単に抜かれてしまいます。本記事では、試合で効果的にポーチを決めるためのタイミング、狙うべきコース、そしてミスを減らす動き方を解説します。






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ポーチボレーが有効な理由
相手にとって奇襲攻撃になる

ポーチボレーは、ダブルスでクロスラリー中に相手の前衛より先に飛び出して仕掛ける、
いわば奇襲のようなボレーです。
相手にとっては予想外の動きとなるため、守備体勢を整える前に返球を強いられ、
十分な準備ができないまま攻撃を受けることで不利な形になりやすくなります。
ダブルスでは後衛より前衛がポイントを取る場面が多いため、
相手の前衛に触らせず、自分の前衛が先にボールへアプローチできるよう、
後衛が配球を工夫することも大切です。
相手の前衛より先に攻撃が出来る

ポーチボレーができるということは、相手の前衛より先に攻撃できるという意味であり、
有利な形を作れます。
特にそれが確実に可能なのが、サーバー側の前衛についたときです。
相手の前衛は味方のサーブに触れることができないため
(簡単に言えば、サーブを前衛がボレーすることはできません)、
基本的にサービスライン付近にポジションを取ります。
その結果、相手のリターンに対してボレーで先に仕掛けられるため、
サービスゲームは有利になりやすいのです。
位置が近い相手の前衛に打つので決まりやすい

ダブルスでセンターに飛んできたボールをポーチボレーできる場面では、
「相手のどちらに打つとポイントが取りやすいか」が重要になります。
強く打とうとすると、自然に引っ張る形になり、
ストレート側の後衛へ打つケースが多くなります。
一方、前衛へ打つ場合は逆クロスのコースになり、流すような打ち方になります。
パワーを出しやすいのは引っ張るストレートですが、
実際に決まりやすいのは、流して打つ逆クロスで近い前衛を狙ったショットです。
ポーチボレーでポイントを取ると流れを掴みやすい

ダブルスでは、ポーチボレーを決めると一気に試合の流れを自分たちに引き寄せやすくなります。
相手にとってはクロスラリーの中で突然仕掛けられるため、
不意を突かれて慌てることが多く、返球できても甘いボールになりやすいのが特徴です。
特に前衛が積極的に動いてポイントを取ると、
ペアの後衛も「任せて良いんだ」という安心感が生まれ、
チーム全体のリズムが良くなります。
逆に相手ペアからすると「また動かれるかもしれない」というプレッシャーを感じ、
ラリー中の選択肢が狭まりやすくなります。
つまり、ポーチボレーの成功は単なる1ポイント以上の価値を持ちます。
スコアだけでなく心理的にも優位に立ち、
試合の流れを自分たちのものにできる重要な武器なのです。
生徒さんの声ポーチボレーは、やはり効果的な攻撃手段なんですね



そうなんです、相手前衛より先に攻撃してポイントを取れると、試合のペースを掴めます
タイミングを見極めるための相手観察
相手のスイングし始めたらポーチボレーのチャンス


ポーチボレーでは、飛び出すタイミングがとても重要です。
早すぎると相手に動きを読まれてストレートに打たれてしまい、
逆にボールが飛んできてから動き出すのでは遅すぎて触ることができません。
では、具体的にどのタイミングで動けばいいのでしょうか。
目安となるのは「相手がスイングを開始した瞬間」です。
スイングが始まれば、その動作を途中で止めたりコースを大きく変えたりすることは難しいため、
その一瞬が最適なタイミングになります。
相手の前衛をクリアしたか確認後ポーチボレーを狙う


ダブルスでポーチボレーを狙うときに欠かせないのは、
「相手の前衛をしっかりクリアしているかどうか」を確認することです。
前衛にラケットを出されてしまえば、
一気に形勢が逆転してポイントを失う危険があります。
特にセンター付近のラリーでは注意が必要です。
そのコースは前衛でも後衛でも触れる位置に入るため、
どちらが処理するかが分かりにくいのです。
こうした場面で大切なのは、相手前衛の動きをしっかり観察すること。
実際のラリーでは、前衛がボレーの構えをするか、
それとも動かずにいるかで判断するのが基本です。
そして、前衛を確実にクリアしたと分かったタイミングでポーチに出れば、
相手後衛に余裕を与えず、こちらが主導権を握れます。
逆に前衛が触れるかどうかを確認せずに仕掛けてしまうと、
簡単に逆襲されるリスクがあります。
「焦らず、まずは前衛をクリアする」――この意識を持つだけで、
ポーチボレーの成功率はぐっと高まり、試合の流れを引き寄せやすくなるでしょう。
ペアが速いボールを打った時はポーチボレーチャンス


ダブルスでは、自分のペアが速いボールを打ったときこそ、
前衛にとってポーチボレーの絶好のチャンスになります。
速いショットを打たれた相手は、返球するだけで精一杯になりやすく、
コースの自由度が下がります。
その結果、ラケット面を合わせるだけの返球になり、
読みやすい軌道でボールが返ってくるケースが多いのです。
このような状況では、前衛が思い切ってポーチに出れば、
相手に反応する時間を与えず、一気にポイントを奪うことができます。
ペアが強いショットを打った瞬間に「次は自分が決める」
という意識を持っておくと、よりスムーズに動き出せるでしょう。
逆に、ペアがゆるいボールを打ったときは相手に余裕があるため、
無理にポーチに出ると逆に狙われやすくなります。
ポーチの成否はペアとの連携に大きく左右されるので、
速いボールが相手に入ったタイミングを見逃さず、
チャンスをしっかりものにしましょう。
ペアのボールがセンターに入ったらポーチボレーチャンス


ダブルスでペアのボールがセンターに入ったとき、
前衛にとってポーチボレーの大きなチャンスが生まれます。
センターに入ったボールは相手後衛も前衛も中央に位置するため、
相手は角度をつけて思い切ったショットを打ちにくく、
比較的予測しやすい軌道でボールが返ってきます。
また、ポーチに出る前衛の存在によって、
相手は打てるコースがさらに限定されるため、
こちら側は守りやすく、次のプレーに余裕を持つことができます。
こうした状況を見逃さず、前衛はタイミングよくポーチに飛び出すことで、
相手にプレッシャーをかけつつポイント獲得につなげることが可能です。
ペアのボールがセンターに入った瞬間をしっかり意識することで、
ポーチボレーを効果的に活かし、試合の流れを有利に進めやすくなります。



ペアのショットによっても、ポーチに出やすくなるんですね



そうなんです。基本的にセンターにボールが入ると、角度がつかないのでポーチに出やすいんです
ポーチで狙うべきコースと理由
相手前衛の足元を狙うポーチボレー


ポーチボレーで最も効果的な狙いどころのひとつが、相手前衛の足元です。
前衛はネット際にポジションを取っているため反応は速いものの、
足元に沈むボールは体勢を崩させやすく、強いボレーで返すことが難しくなります。
結果として、ミスショットや浮いた返球を誘い、
自分たちが次の攻撃を仕掛けやすい展開を作れます。
特に、速いテンポのラリーから前衛の足元に沈めるポーチは非常に有効です。
相手はラケットを下げて拾わざるを得ず、返球が甘くなる可能性が高いため、
後衛が次のボールで攻めやすくなります。
つまり、相手の前衛の足元を狙うことで、直接ポイントを奪うだけでなく、
次につながる攻撃の形を作りやすくなるのです。
ポーチを仕掛ける際には、この「足元に沈める」意識を持つことが大切です。
2人の間のセンターを狙うポーチボレー


ポーチボレーを成功させる上で狙いやすく、効果的なのが相手2人の間、
いわゆるセンターへのコースです。
センターに打たれたボールは、相手前衛と後衛のどちらでも触れる位置に入るため、
「どちらが取るのか」という一瞬の迷いを相手に生じさせます。
この判断の遅れが、リターンの質を落としたり、甘いボールを引き出す要因になります。
また、センターに打つとコートの真ん中に返球が集まりやすく、
サイドに比べてアウトのリスクが少ないのも利点です。
安定性を保ちながら相手にプレッシャーをかけられるため、
ミスを誘いやすいだけでなく、自分たちの次の攻撃にもつなげやすくなります。
つまり、センターを狙ったポーチは「相手に迷いを与えつつ、リスクを抑えた攻撃」
ができる賢い選択肢なのです。
ポーチの場面では、このセンターを積極的に狙う意識を持つことで、試合を優位に進めやすくなります。
相手のボールが高いときはアングルボレー


相手の返球が高く浮いたときは、ポーチからアングルボレーを狙う絶好のチャンスです。
高い打点から角度をつけて斜めに落とすことで、
相手コートの前方に大きな空間を作り出し、
前衛も後衛もカバーしにくい状況を作れます。
特にネット際で決め切るには、力強く叩くよりも角度をつけて短く落とす方が効果的です。
また、アングルボレーは相手を大きく動かすことができるため、
直接ポイントを取れなくても、次のボールで仕留めやすい展開を作れます。
浮いたボールを見逃さずに角度をつけることで、
相手にとっては守備が難しく、こちらは主導権を握りやすくなります。
つまり、相手のボールが高くなった場面では、
無理に強打を狙うよりもアングルボレーで確実に相手を崩すことが、
効果的な攻めにつながるのです。



ボールによってコースを変えるのは、やっぱり難しいですね



そうなんです。難しいときは、基本的にセンターか相手前衛の足元を狙えばいいんです
成功率を高める足運びと体の向き
斜め前に踏み出す4歩のサイドステップ


これは、ポーチボレーのためにサイドステップで斜め前へ動く動作です。
スプリットステップの後に斜め前へサイドステップを開始し、打つ直前に軸足をしっかりセットして踏み込むことで、安定したボレーを打つことができます。このステップの手順
- 1歩目は右足を斜め前に出して、サイドステップを開始する
- 2歩目は左足を右足に近づける
- 3歩目は右足の軸足を置いて肩を入れてテイクバックを完了させる
- 4歩目に左足を踏み込みながらインパクト
小刻みなステップで走り込む


雁行陣同士のクロスラリーで、ペアのショットのペースが落ちたときは、
その時間を利用して走り込みながらポーチボレーを狙いましょう。
移動の際は 足幅を細かく刻み、つま先で走るイメージ を持つことが大切です。
走り出したら同時にテイクバックを開始しますが、
このときは高いボールを想定してラケットを高めに引くのが基本です。
もしボールが低く来た場合は、
ダウンスイングでラケットを下げて高さを合わせることで、スムーズに対応できます。
スプリットステップ → 軸足 → 踏み込み足の基本3ステップ


このステップは、基本のボレーの動作です。
まず スプリットステップ → 軸足を置いてテイクバック →
インパクトで踏み込みながらボレー、という流れを 「1・2・3」のリズム で行いましょう。
ステップのポイント
- 「2」の軸足に体重を乗せるとき
大きく踏み出しすぎないことが大切です。大事なのは「足を大きく出すこと」ではなく、「軸足にしっかり体重を乗せること」です。 - よくあるアドバイスとの違い
スクールでは「軸足を大きく出して!」と言われることがありますが、正しくは 「軸足を大きく出し、その足に体重をしっかり乗せる」 ことが本来のポイントです。



足のことを考えると、ポーチには出にくくなりますね



そうですね。まずは、出るタイミングをつかむことが大事ですね
練習で身につけるためのドリル
4人の雁行陣で、後衛からボールを出し、相手前衛の動きを確認してから前進し、ポーチボレーを打つドリル


- 後衛からボール出し クロスラリーの形で、後衛同士が打ち合いをスタートします。
- 相手前衛をチェック 自分のペアが打ったショットを横目で確認しつつ、相手前衛の動きを素早く観察します。
- 前進開始 相手前衛の攻撃がないことを確認してから、細かいステップで前進します
- ポーチボレー実行 前に詰めながらテイクバックを行い、相手コートへポーチボレーを打ち込みます
リターン側の前衛が返球後に取るべきポジションを確認するドリル


リターン側の前衛は、相手前衛のボレーに備えてサービスライン付近のセンター寄りにポジションを取ります。
そこから相手前衛がボレーしてこないと確認できたら、
斜め前に詰めて反撃のボレーを狙いに行きます。
ただし、このとき攻撃の意識が強すぎると、
センター寄りからそのまままっすぐ前に詰めてしまい、
相手から見るとストレートコースが空いて見えてしまいます。
その結果、ストレートに抜かれる危険が高まります。
そこで、一度コート半面の真ん中方向に移動してからポーチボレーに出るようにする練習が大切です。
そのためのドリルとして、目印のコーンを立てて動きを確認する方法が有効です。
ストレートに寄ってからセンターへ出るポーチボレーの初級者向けドリル


ポーチボレーが成功すると、つい「もっとポーチしよう」という気持ちになり、
毎球ポーチボレーを狙おうとしてセンターに寄りすぎてしまうことがあります。
すると、相手後衛から見るとストレートコースが大きく空いて見え、
パッシングを打たれる危険が高まります。
そこで、ポーチボレーに出る前に、まずストレート側に寄って
「ストレートをカバーしている」ように見せてからポーチを狙うことが大切です。
この動きを確認するために、ネット前にコーンを置いて立ち位置を意識しながら練習しましょう。
雁行陣における前衛のポーチボレーを強化する上級者向けドリル


雁行陣と平行陣の形を使い、平行陣の前衛からボールをスタートします。
雁行陣側の前衛は、味方のショットが前衛クリアまたは沈んだタイミングでポーチボレーを狙う上級者向けドリルです。
- スタートポジション 雁行陣側の後衛からボールを出し、前衛はサービスライン付近でポーチの準備をします
- 相手の動きを確認 相手平行陣の後衛ボレーが低い位置でのボレーを打つことを予測出来たら、前にスプリットステップを行う
- ポーチボレーのタイミング 相手が低めのボレーを打つ瞬間に、斜め前に前進してポーチボレーを打ちます。
練習のコツ
- テイクバックを観察する 相手後衛のボレーのテイクバックを見て、ボールが低めか高めかを判断します
- 低めのボレーに対応する ボールが低めで来ると予想できたら、前にスプリットステップを行い、素早くポーチボレーに出られる体勢を作ります。練習ではネット前にコーンを置き、立ち位置を確認すると効果的です
- 高めのボレーに対応する 高めのボレーが来る場合もあるため、テイクバックは高めにセットし、タイミングよく前進できるよう準備しておきます



ポーチボレーの練習ドリルでは、どんなことに気をつければいいですか?



そうですね。出るタイミングはもちろんですが、ポジションやスプリットステップも大切ですね
テニスコーチブログ・・・
ポーチボレーは、雁行陣の前衛がポイントを取るうえで最も効果的な戦術のひとつです。
ただし、レベルが上がるにつれて、平行陣の前衛も積極的にポーチボレーを狙っていきたいところです。
一方で、平行陣の後衛はサービスライン付近でボレーを打つことが多く、
足元に沈んだボールをローボレーやハーフボレーで返すと、ボールが浮きやすくなります。
その結果、相手にポーチボレーを決められてしまうこともあります。
一方で、 雁行陣の形から先に相手に平行陣を取られても、
こちらが足元に沈むボールを打てれば、自分のペアにポーチボレーのチャンスが生まれます。
つまり、相手に先手を取られても焦らずに対処することで、
こちら側にもポーチボレーを仕掛ける好機が生まれるのです。




